Team Foundation Server 2018 update2リリース

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Visual Studio同様、短いスパンでリリースされるTeam Foundation Server(TFS)ですが、TFS 2018 Update2が正式公開されました。TFSの場合は公式からリリースノートの翻訳が行われるので、詳細なものはやりませんが、目玉機能や重要なポイントだけ紹介します。

VSTSのSprint 131くらいまでの機能が大体入っている感じになります(入っていないものもあります)。

重要な点 - XAMLビルド

TFS 2018 RTW/update 1ではXAMLビルド(昔のCIツール)にアクセスできなくなっていましたが、それでは困るというフィードバックが多かったので、暫定的にアクセスできるようになりました。

XAMLビルドを使っていた方はUpdate 2にしていただければ継続してアクセスできますが、廃止されることには変わりないので、レガシーなVisual Studioを使わなければならないという事情がない限り移行を検討してください。

アップグレードパス

先頭にTFS 2018 Update2へのアップグレードパスが例示されています。直接アップグレードできるのはTFS 2012(Updateはなんでもいい)以降です。TFS 2010はTFS 2013 Update 5へのアップグレードを経由してください。

TFS 2008の方はTFS 2012 Update 4のアップグレードを経由してください。特にTFS 2008はサポートが終了するはずなので、移行の必要があります。TFS 2010や2008はOSやSQL Serverのアップグレードも必要になるので、十分計画的に実施してください。

テストタスクの廃止

従来のWinRMベースのDeploy Test Agent, Run Testsビルドタスクは非推奨になりました。Visual Studio Testタスクへの移行を検討してください。

Team Foundation Server 2018 Update 2 Release Notes | Microsoft Docs

SSHで古い暗号化アルゴリズムの廃止と新アルゴリズムの追加

AES 128/192/256が廃止されて、AES128 CTR/AES256 CTRが追加されました。AES 128/192/256を使っている人は気を付けてください。

マルチフェーズビルド

C/C++だとよくあるのですが、ビルドしてライブラリ用にパッケージングを別のフェーズでやりたいという要件はよくあります。そんな場合のためにマルチフェーズビルドがサポートされました。

Phase 1でバイナリを作成し、Phase 2でパッケージングということができるようになりました。それぞれのフェーズでビルドキューを指定できるので、ビルドとパッケージングを別のプラットフォームで実施することも可能です。

Appleプロビジョニングプロファイルのインストール

モバイルアプリ用のサポートも強化されました。Appleのプロビジョニングプロファイルがビルドタスクでサポートされています。

リリースゲート

リリースの判定を実サイトでの性能検証後行うリリースゲートが追加されました。ステージング環境で一定期間例外が起きていなければ次のステージへリリースするということが自動化されます。

Javaのサポート

Javaビルド時に特定のJDKをインストールしてビルドできるようになります。

Jenkinsサポートの強化

Jenkinsからの成果物のダウンロードが強化されています。

Docker Hub/Azure Container Registryからのダウンロード

成果物のソースとしてDocker HubやAzure Container Registryが指定できるようになりました。

環境単位でVariableグループを指定可能に

接続文字列などの機微情報をリリース環境ごとに分離したいという話はよくあります。今回の強化で特定の値を特定の環境にのみ適用できるようになりました。

これでリリースタスクの環境変数をリリースフェーズごとに名前を変える必要がなくなります。

Gulp, Yarn, npm等の認証付きupstreamパッケージソースのサポート

組織内などで認証付きのupstreamパッケージソースが使えるようになりました。

Wikiの強化

Firefoxはまだサポートされていませんが、Wikiの印刷ができるようになりました。

サイドバイサイドでプレビューができるようになりました。